カロッツェリアD909レーザーピック清掃日記(&分解記事)


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(update 2000/05/06)

 カロッツェリアの初代サイバーDVDナビ、D909。
初代(Vol 0.9 苦笑)は、とんでもない道を引いたり(今でも地方部は、収録レイヤーの関係でちょっぴりしか改善していなかったりしますが)とまぁ、なかなか味のあるものでした。現在、Vol.3(5月か6月頃にはVol.4が出る?)ではかなりの進化を遂げました。
 私が使い始めてからもう3年かな。DVD−ROMの方は適度に静電防止剤+シリコン(コニカの静電防止剤です。)を使ってコーティングを施しているので今まではたいしたトラブルが無かったのですが、、ここ1ヶ月位から「プログラムが読み出せない」などなどのエラーが続発。DVD−ROMの方には油煙やホコリ等が無いので、こりゃーナビゲーション本体のDVDドライブ部のピックアップレンズが汚れているんだろうなぁ・・・・という予想に至りました。
 で、考えたのが市販のDVDクリーナーの使用。しかしながら悲しいことに、D909には市販DVDを使用したクリーニングを行ったところ、クリーニングを行うためにつけたクリーニング液の場所と、ピックアップレンズの位置があわない(^_^;;)。使用したクリーナーが悪いのか、どうもピックアップレンズではなく、あさっての場所を、クリーナーが回転している、、、おいおい。

 しょうがなく(楽しみもあり)、分解清掃という暴挙に出ました。

 ここでお約束。
・この記事は、あくまでも参考です。この記事通りに行い、ナビゲーションが破損したとしても誰も責任はとれません。
・また、ピックアップ部の清掃には微妙な力加減が必要です。
・分解には、相当な機械組立分解の技術が必要です。
・メーカー保証は受けられなくなります。
・なににつけても、自己責任です。
このことを守れない方は、絶対に行動を起こしてはいけません。

 まず、ナビゲーション本体を取り外します。私は、車(車体フレーム)に直接アルミ板をビス止めしています。このアルミ板は、常呂では一番技術があると私が思う忠津鉄工所で加工/取り付けしてもらいました。おやじさん、ありがとうございます。
車に取り付けられているアルミ板
ここまでして、精度を出すか〜?という方もおられるかもしれません。そうなんです、せっかくの良い精度を誇っているナビゲーションです。良い精度を骨までしゃぶってしまおうではないですか?(笑)でも、ここまでしなくっても良いですよね(爆)。

 さて、分解です。

これが、上蓋をはずした写真です。ここまではもしかして見た方もいるのではないでしょうか。
ちなみに、今正面に見えているものがD909の心臓部、メイン基盤ユニットです。
DVDドライブは、メインユニットの下についています。なので、DVDドライブにアクセスするにはまずこのメイン基盤ユニットを取り外さなければなりません。

 
前面パネルを取り外したところと、背面パネルを取り外したところ。
前面パネルと、背面パネルは、左右4つの爪によって固定されています。その爪を破損しないように少し広げてパネルを取り外します。


背面コネクタのシールド板を取り外します。シールド板は、前面側から背面側へスライドさせて取り外します。
その後、メイン基盤ユニットは、4カ所のねじを取り外して真上に持ち上げます。(その前に、メイン基盤ユニットに接続されているケーブルやフラットケーブルを取り外します。左手の茶色のケーブルは、DVDのピックアップ信号をメイン基盤ユニットへ電送するためのケーブルですし、とっても裂けやすいので特に注意しましょう。)
メイン基盤ユニットを真上に持ち上げる理由は、メイン基盤ユニット右側奥手にPCカード部との接続コネクタがあるからです。

 
ちょっとついでに、メイン基盤ユニットのシールド板を取り外してみました。(取り外す必要はまったくありません ^^;;)
ちなみに右側の写真は、D909の心臓、日立のSH−3というCPUです。


メイン基盤ユニットを取り外すと、左側にDVDドライブと右側にPCカードスロット部が出てきます。
このままピックアップ部へアクセスできると良いのですが、そんな構造にはなっていません。
筐体からDVDドライブを取り外さなければなりません。しかも、ただ取り外すだけではだめだったのです・・・(苦笑)


取り外したDVDドライブを裏返した図です。今見えている上部のカバーを取り外し、中のDVDドライブのコアの部分を取り外さなければなりません。じつは、この取り外したものはDVDドライブは「防震構造」になっている部分も一体になっています。
つまり、DVDドライブのまわりに防震の機構が備わっているユニットなのです。これから、このユニットを分解します。
このカバーのネジは、上部をはじめとして3つの面についていますので、確認して取り外します。


ネジを取り外す前にバネが2本ついています。それを飛ばさないようにはずしましょう。
赤矢印のネジを取り外し、DVDの挿入部のカバーを取り外します。
バネは、反対側にも2本ついています。また、バネはそれぞれ強さが違いますので、「絶対に混ぜないよう」にしてください。分解した私のD909は、前面2本が同一、背面2本が同一で、それぞれ色が異なっていました。ロットによっては色がさらに変わっていたりする可能性もあります。防震部のネジですから、絶対についていた場所にはずしたものをつけられるようにしましょう。


今回私を苦しめた、「防震構造の要」です。「たこちゅー」と名付けました(爆)。
4カ所固定されていますので、ネジをはずし、ロック方向と反対方向に少し回して、ゆっくりと引き抜きます。
そして、写真のように形がなるようにします。
ちなみに、取り付けるときは取り外したときの棒状のものを中心にあてがい、しっかりと奥まで押しつけるように入れます。押しつけが足りないと後でトラブルの元になりますので、ドライブ部を動かしてしっかりと差し込みます。

このたこちゅーを取り外して、DVDドライブ部の中身を取り外します。


見にくいので大きな写真にしました。
赤矢印のところが「ピックアップレンズ」です。ここを清掃します。
私の場合、綿棒にピュアアルコールを少量つけて清掃後、軽く乾拭き。
その後、界面活性剤を少量つけて清掃、そして軽く乾拭きをしました。
綿棒に黒っぽい汚れが付いたので、これが最近の不調の原因だったのでしょう。
この清掃は、強くピックアップレンズを押しすぎると、ピックアップを破壊してしまいます。また、光軸が合わなくなって清掃前よりずっと悪化する可能性があります。CDのピックアップよりも繊細ですから、本当に細心の注意をはらって清掃に挑みましょう。

裏側を見ると、ピックアップレンズを駆動しているモーターと駆動軸は、なんとベルト式(苦笑)。思わず、MSXのFDDドライブのベルトを思い出してしまいました。ベルト式だと、年数経過によって切れたり伸びたりするんですよね・・・ ^^;;
ましてや、素人が交換できるような代物ではないし・・・。でも、もしかして構造上仕方がなかったのか、、それとも、直接モーターの軸に駆動軸を取り付けるよりも振動に強かったのか・・・・。

 たばこを一切吸わない私の車で、駆動軸やDVDのローディング機構部のギアに塗ってあるグリスがぱきぱきになってたのにも気になりました。って、3年もたてばどんなグリスでも堅くなるものですし。できれば、全部のグリスをぬぐい去って、某Kというメーカーのスライド軸グリスを塗りたかったのですが、ちょい見合わせました(苦笑)。

 後ろのファンがなければ、ずっと内部の劣化速度も遅くなるのでしょうが、、膨大な発熱。それを冷却するためのファンは必須です。最新のモデルはどうなってるのかちょっとわからないのですが(さすがに、ショップで展示機を引っ張り出して裏とかを見るわけにはいかないですし)。

 私の見た限りでは、アルパイン社のよりも回路の取り回しも良いし、半田付けもしっかりしている、使用しているコンデンサも信頼性のある部品を使用しているなど良いところがたくさん目に付きました。電子回路のノイズのシールド対策もばっちりですね。私が分解したアルパインのCD−ROM機055Zは、カバーをはずすとすぐメイン基盤で、シールドもへったくれもありませんでした。分解する方にはシールドは少ない方がいいのですが、やはりいろいろな環境で使われるものですから、十分すぎるシールドはいいことだと思います。

 なお、某社の技術マニュアルのように、「組立は分解の反対手順」で行ってください。
くれぐれも、ネジを余らしたり、タイプの違うネジを締め込んだり、バネを飛ばしてなくしたりしないように気をつけてください。